DHAとEPAを摂るなら日本人にお馴染みのあの魚を!

サバ

頼りになるのはいつも皆のそばにある大衆魚のサバ!

日本人なら誰もが食べるといっても過言ではない魚のひとつにサバがあります。
サバはスズキ目サバ科のサバ属に分類されます。

サバは日本各地の近海で一年中水揚げされており、マサバ、ゴマサバ等いくつかの種類があります。
一見どちらも変わらないように思えますが、両方を並べてみると一目瞭然で、マサバの方がより青く斑点が薄いのに対してゴマサバはその名の通りゴマ粒のような斑点が濃いのが特徴です。

日本のサバの水揚げ量は世界でもトップクラスですが、ノルウェーから輸入される大西洋サバも塩サバとして国内で多く流通しています・

サバの旬は夏から冬にかけての長期にわたり、サバの種類によって変わります。
特に秋から冬のマサバは脂がたっぷりと乗っていてとてもおいしくいただく事ができます。

ゴマサバはマサバに比べると脂が少ないですが、年間を通して安定した漁獲量を保ち、いつでも食べらる大衆魚として親しまれています。

海釣り好きなら一度は経験した事のある方も多いかもしれませんが、この魚が釣れると「サバが走る」とよく言います。
20m以上深い水深から釣り上げるまでに、サバはとにかく大暴れをして泳ぎ回ります。
その泳ぐスピードも速く、隣の人の釣り糸を巻き込んでしまう事もあるほど運動量の多い元気な魚です。

しかし一度水揚げされると痛みが早い事でもよく知られていて、食当たりを起こしやすいのが難点です。
また、サバの身にはアニキサスという寄生虫がいるので、早めに内臓の処理を行う事が必要です。

サバは栄養たっぷりの優等生

そんな鯖ですが、すごいのはその栄養素です。
サバをはじめ、アジやイワシなどの青魚は体にいいとよく言われますが、サバはその青魚のなかでも栄養価がとても高いです。
主な栄養素としてたんぱく質はもちろんのこと、青魚に多く含まれる事でも有名なDHAやEPAなどをはじめ、ビタミンB群、ビタミンD、タウリンなど、様々な栄養素がたくさん含まれています。

サバは焼くと脂がジュワジュワと落ちるほと脂質がたっぷりですが、この脂質こそがサバの誇る重要な栄養素なのです。

必須脂肪酸のDHAやEPAの健康効果

サバに多く含まれるDHAやEPAは、サプリメントや医薬品にも使用されるほど、日本でもおなじみの栄養素です。
これらの成分は、サバのあのたっぷりの脂質に含まれています。

炭水化物、たんぱく質と同様に、脂質は人間には欠かす事のできない3大栄養素のひとつです。
脂質には動物性のものと植物性がありますが、同じ動物性の脂質でも肉と魚ではその性質が全く違います。

肉に含まれる脂質は冷えると固まる飽和脂肪酸ですが、魚の脂質は常温でも固まらない不飽和脂肪酸です。
この2種類の脂肪酸の作用はまさに正反対で、不飽和脂肪酸は血液中のコレステロールや中性脂肪を増やしてしまう作用がありますが、不飽和脂肪酸は逆に減らします。

不飽和脂肪酸に分類されるDHAやEPAが健康成分として注目されるのはそのためです。
サバだけでなく、アジやイワシ、マグロやブリなどの魚にもDHAやEPAをはじめとする不飽和脂肪酸は多く含まれています。

また、オリーブ油やごま油などの植物油も不飽和脂肪酸です。
イタリアの人はオリーブ油を何にでもかけて食べると言います。
日本人の感覚だと油をかけて食べるという発想は驚きですが、そもそも脂質の種類が違うのです。

不飽和脂肪酸の分類

不飽和脂肪酸と一口に言っても、飽和脂肪酸と違っていくつかの種類に分類されます。

まず大きく分けて一価不飽和脂肪酸と多価不飽和脂肪酸の2つです
その中でも多価不飽和脂肪酸は血中のコレステロール値を下げる効果が高いです。
多価不飽和脂肪酸には、n-6系のリノール酸、n-3系のリノレン酸、DHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(エイコサペンタエン酸)が含まれます。

DHA(ドコサヘキサエン酸)

DHA(ドコサヘキサエン酸)は不飽和脂肪酸の中でも3つある必須脂肪酸のひとつです。
この脂肪酸は人間の脳にある海馬という器官にある成分で、記憶力や学習能力に深く関わっています。

脳は人間の全てをコントロールするとても繊細で重要な器官なので、有害な物質が入りこまないようにフィルター機能がついています。
血液脳関門(けつえきのうかんもん)と呼ばれるフィルターは、脳の神経活動のエネルギーになる栄養素が通過できるようになっていますが、DHAはこのフィルターを通過する事が可能なのです。
ですからDHAは脳の活動にとって確実に必要な成分であるという事がわかります。

かつてイギリスの研究者は、日本の子供達のIQが高い理由が魚食の生活習慣にあるとの見解を発表しました。
こうして世界から注目された事をきっかけに、DHAの脳に与える効果についての研究が世界各国で始められたと言われています。

実際DHAは脳の神経細胞を活性化する作用があり、近年では認知症の予防や改善に役立てるべく研究が進められている注目の成分です。
さらにDHAには、血液中のコレステロールや中性脂肪を減らす役割もあります。

高齢化が加速する日本において、認知症の介護にまつわる事が深刻な社会問題になっている事からも、DHAの健康効果が医療に与える影響に期待が集まっています。

DHAはビタミンなどと同様に人間の体の中で作りだす事ができない成分なので、食事から摂取しなければなりません。

厚生労働省の定める日本人の食事摂取基準によれば、DHAは1日1gの摂取が推奨されています。

DHAが最も多く含まれるのは実はマグロです。
しかしマグロは価格も高く量が少ないので、日常的に食べるには無理があるかもしれません。
その点でサバのDHAの含有量はマグロに次ぐ多さで、日々の食事に手軽に取り入れやすい魚と言えます。

EPA(エイコサペンタエン酸)

EPA(エイコサペンタエン酸)もDHAと同様に、不飽和脂肪酸の中の必須脂肪酸です。
EPAは中性脂肪やコレステロールを抑制する力が強く、血液をサラサラにして血栓を予防する効果もあります。

血液がドロドロになると血の固まりである血栓が出来やすく、体の様々な機能に不具合が起こりやすくなり動脈硬化や脳卒中、心筋梗塞などリスクが高くなります。
このEPA成分はすでに医薬品にも使用されるほどの効果が証明されており、世界的にも注目の健康成分です。

EPAが注目されるきっかけとなったのが、あるデンマーク人の研究者達がイヌイットの食生活に着目した事でした。
イヌイットの人々が暮らす土地は、野菜などの作物を栽培できないほどに寒くなるため、食事は主にアザラシや鯨が中心でした。

通常では考えられないほどの偏った食生活にもかかわらず、イヌイットの人々の健康状態はとても良く、循環器系疾患の罹患率がわずか3%でした。
それにもかかわらず、摂取していた脂肪の量だけで見るとかなりの量に達していたので、その脂肪の成分に注目されたのです。

DHAとEPAでは、その分子構造はよく似ています。

どちらも血液の流れをよくする働きがありますが、その点ではEPAの方が勝っています。
EPAの持つ血小板凝集抑制効果は、現代人の生活習慣病や成人病のリスクを大きく下げる事が期待できます。

DHAとEPAの含有量が多いサバ

サバのカロリーは100gで約200kcalほどです。
青魚の中でも脂肪分の多いサバは、魚の中では決してカロリーが低いわけではありませんが、不飽和脂肪酸の中には脂肪を分解する酵素の働きを促進させる効果があり、体脂肪の燃焼を助ける事ができます。

同じ動物性の脂質を牛や豚などの肉と比較すると、魚は同じカロリーだったとしても脂質の働きが全く逆になります。
そういう意味でも健康やダイエットのために魚を食べるのは良い事であるのは間違いありません。

サバと言えば、多くの人が好んで食べるサバの缶詰です。

缶詰ブームも後押しして、おつまみやおかずにと今やその種類は豊富にあります。
醤油や味噌で味付けされたものと水煮とがありますが、サバ缶を使った料理のレシピも多くあり、常にストックとして置いておくともう一品が欲しい時にも役立ちます。

DHAやEPAを効果的に食事に取り入れるのに、サバはとても条件のいい魚です。
その食べ方は色々ありますが、調理方法によっても栄養成分の量が変わって来ます。

サバは痛みやすいのでまず鮮度が大切ですが、これはDHAやEPAなどの不飽和脂肪酸についても同じ事が言えます。
不飽和脂肪酸は酸化しやすいので、なるべく新鮮なうちに食べる事がポイントです。

サバの食べ方によって摂取できる栄養量が違う

普段の食べ方として多いのはやはり焼き魚ですが、熱で脂肪がすぐに溶けてしまいます。
脂の多い魚を丸ごと焼くとサラサラの脂が滴り落ちますが、サバは脂が多いので切り身でもそうなりがちです。
その脂がいわゆる不飽和脂肪酸なので、焼く事で落ちてしまった分は摂取できないという事になります。

煮魚は、煮汁に脂肪酸の成分が出ていくので、身だけを食べる場合はやはり成分が少なくなります。
ですから煮汁もタレとして一緒に食べるようにすれば、栄養もしっかりと摂る事ができます。

一番DHAやEPAなどの脂肪酸の量が減ってしまうのは揚げ物の場合です。
不飽和脂肪酸は常温でも固まらないぐらいなので、揚げ物の油の高熱ではすぐに溶け出してしまいます。

魚でDHAやEPAを摂取しようと思ったら、生の刺身が一番効果的です。
ですが、サバはしめ鯖以外の方法で生で食べる事はほどんどありません。
サバのとれる場所によっては新鮮なうちに生で食べる地域もありますが、基本的に生食は危険です。

日本人の食生活も欧米化が進んで、今では魚よりも肉の消費量が上回っています。
しかしかつては子供達の知能指数の高さと魚の摂取量の多さが結び付けられた事もあるほどでした。

日本は水産資源がとても豊富な国で、それぞれの季節で旬のおいしい魚が食べられます。
サバはもちろん、他の様々な魚を食事に取り入れて、健康な体を目指しましょう。

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