魚に含まれる成分のDHAとEPAは何が違う?

魚 DHAとEPA

DHA(ドコサヘキサエン酸)

①正式名称と分子構造

名称ドコサヘキサエン酸、オメガ3系列の脂肪酸。
分子構造は炭素22個、二重結語5個。

②成分の人体への影響

主に脳の神経細胞に作用。
体内ではほどんど作る事ができない成分で、海馬と呼ばれる脳の中枢機能に存在する成分です。
海馬は記憶や学習に関わる機能として重要な部分です。

③効果が期待できる作用

記憶力や学習能力の活性化、認知症予防、抗炎症効果、視力回復効果。

④DHAとEPAに共通する点

中性脂肪、コレステロールを下げる、血が固まってできる血栓の予防、アレルギー抑制。

⑤多く含まれる魚

マグロ、ブリ、ハマチ、サンマ、サバ、ウナギなど

EPA(エイコサペンタエン酸)

①正式名称と分子構造

名称エイコサペンタエン酸、オメガ3系列の脂肪酸。
炭素が20個二重結合が5個。

②成分の人体への影響

主に血液に作用。
血の固まりである血栓を作りにくくする。
血液中の中性脂肪やコレステロールを減らし、動脈硬化を予防します。

③効果が期待できる作用

血栓を防ぎ血液をサラサラにする事で、脳梗塞や心筋梗塞などの循環器系の病気を防ぐ効果が期待できます。

④DHAとEPAに共通する点

中性脂肪、コレステロールを下げる、血が固まってできる血栓の予防、アレルギー抑制。

⑤多く含まれる魚

マグロ、イワシ、サンマ、ブリ、サバなど

DHAとEPA比較すると

青魚に多く含まれるDHAとEPAは、分子構造もよく似ていてどちらも同じ不飽和脂肪酸です。
肉は加熱後に白く脂が固まるのと対照に、魚の脂は常温でも固まらずサラサラとした脂が特徴です。

双方の特徴を比べてみると、大きく違う点はそれぞれの成分が作用する場所です。
DHAは脳の神経細胞の活性化が得意で、EPAは血液成分の正常化が得意です。

DHAとEPA双方に共通するのは血中の中性脂肪やコレステロールの減少効果です。
細かい内訳だと、DHAではコレステロール、EPAでは中性脂肪への効果が多く期待できます。

DHAは脳の機能に影響があるという点ではとても個性があります。
この成分は記憶力の活性化効果があるとあって、高齢化が進む日本の社会問題でもある認知症予防への期待も大きく、様々な研究が行われています。

EPAはDHAに比べると認知度は低めですが、この成分は血栓予防の効果が大変高く、生活習慣病や成人病の予防に役立っています。

DHAとEPAが多く含まれている魚

DHAとEPAは魚以外の食品からも摂取する事は可能ですが、何といっても多く含まれているのは魚です。
一般に青魚とよばれる魚には特に多く含まれる事で有名です。

魚の中でも一番多くDHAとEPAが含まれているのはマグロです。
とくに脂の多い部位は数切れで1日の摂取量に足りてしまいます。

マグロに続き、ブリ、ハマチ、サンマなどの秋から冬にかけて旬の魚にはDHAとEPAの含有両が多めです。
旬の時期は良質の脂がたっぷり乗っているので、積極的に食事に取り入れる事をおすすめします。

通年で流通しているアジ、サバ、イワシなどにもDHAとEPAは含まれます。

現代の日本人は、食生活の変化によって魚よりも肉を多く食べるようになりました。
しかし同時に生活習慣病のリスクも高くなり、健康志向の高まりもあって魚の良さも徐々に見直されてきています。

DHAとEPAの効果を実証した人々

1970年代にデンマークの2人の研究者が、グリーンランドに居住するイヌイットの人々の食生活と健康状態に着目した事でDHAとEPAが世界に注目されるようになりました。

イヌイットの人々が暮らす土地は-60℃にもなる時期もあり、野菜などの栽培ができず食事のほとんどはアザラシやクジラ、魚などが中心でした。
そのような偏った食生活にもかかわらず、循環器系の疾患にかかる人がデンマークのそれと比較しても圧倒的に少数でした。

この事をヒントにした調査の末、イヌイットの人々が主食にしていたアザラシ等に多く含まれるDHAとEPAが大きな健康効果をもたらしている事がわかったのです。

その後もDHAとEPAの研究は世界中で進み、現在は医療品でも利用されています。
近年ではDHAの認知症予防の効果もわかってきており、その健康効果は確かなものになっています。

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