DHA&EPAをよく摂取するイヌイットは心筋梗塞が少ない

イヌイット

DHA&EPAとダイエルバーグ博士とバング博士

専門家の間で、魚の脂肪酸の効用が注目されるようになったのは、デンマークのダイエルバーグ博士とバング博士が行なった、グリーンランドに住むイヌイットエスキモーの人々の疫学調査の報告がきっかけでした。

博士らは、デンマーク人にくらべてイヌイットでは心筋梗塞など血栓性疾患を発症するケースが極めて少なく、成人病の大きな要因とされる動脈硬化の進行もかなり 緩やかになっていることに注目し、それが何に由来しているのか調査・解析を行なったのです。

そして次に、イヌイットの特徴的な食生活、サケ、アザラシ、オットセイなど近海で 獲れる魚や海獣を主食とする食生活に着目し、イヌイットが日常的に摂取している脂肪の量を調べてみることにしました。

というのも、脂肪の摂取量が多いと、血液中のコレステロールや中性脂肪の上昇を招き、血栓性疾患の誘因になったり、動脈硬化を促進させる大きな要因になるため「イヌイットの脂肪摂取量は、デンマーク人のそれより、はるかに少ないのだろう」と、博士らは考えたわけです。

ところが驚くことに、3年にわたる調査の結果、グリーンランドに住むイヌイットの脂肪摂取量は、総摂取カロリーの35〜40%にものぼっており、獣肉食中心のデンマークと同じくらい高脂肪食だったの です。

まず同じイヌイットでもデンマークの都市部に移り住んだ者の疾患状況を調べた結果、それがデンマーク人とほぼ同じ内容であったことから、遺伝的な要因ではないことがわかりました。

そこで博士らは、イヌイットとデンマーク人の血中成分を分析して、それぞれ比較して みることにしました。

その結果、イヌイットの血中には、DHA・EPAがかなり多く含まれており、逆にアラキドン酸)という成分がかなり少なくなっていたのです。

この調査結果によって、血栓性疾患に対する魚の脂肪の効用が注目されるようになりました。そして同じ動物性油でも、獣肉の脂肪と魚・海獣の脂肪では性質が大き く異なり、ひとまとめにして論じることが疑問視されるようになったのです。

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