DHAとEPAの驚くべき健康効果について考える

Blue fish

DHAとEPAは人間の命をつなぐ重要な栄養素

人間が生きるために必要な3大栄養素は炭水化物、たんぱく質、脂質です。
健康を保つためにはどの栄養素も必要不可欠なものばかりです。

特に脂質と聞くと取り過ぎてはいけない方のイメージがあるかもしれませんが、これも体に必要な栄養素です。
脂肪酸という言葉をよく聞きますが、これは中性脂肪やコレステロールに影響を与える成分です。

脂肪酸はいくつかの分類をする事が出来ます。
まず大きく分けると飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の2つに分かれます。
これらの脂肪酸は、分子構造の違いによって分類されています。

飽和脂肪酸

主に動物性の脂質に含まれていて、冷えると固まる性質があります。
肉類を加熱後に冷めた時、白く固まる脂がこの飽和脂肪酸です。

飽和脂肪酸は血液中のコレステロールや中性脂肪を増やす働きがあります。

肉類だけによらず、マーガリンやお菓子、パンなどに多く含まれるショートニングにも飽和脂肪酸は多く含まれています。
この成分を多く取り過ぎると、脂質異常症等の病気の原因にもなり、血液がドロドロになる事でさらなる病気へとつながってしまいかねません。
2015年には、アメリカがトランス脂肪酸の撤廃に向けて動くとの発表があり、日本でも大きな話題になりました。
飽和脂肪酸の取り過ぎは、食生活が欧米化している日本でも他人事ではない重大な問題です。

不飽和脂肪酸

不飽和脂肪酸は以下のようにさらに分類され、枝分かれになっていきます。

①一価不飽和脂肪酸

  • オレイン酸

②多価不飽和脂肪酸

  • n-6系脂肪酸 リノール酸、γ-リノレン酸、アラキドン酸
  • n-3系脂肪酸 α-リノレン酸 エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)

必須脂肪酸という言葉は良く聞きますが、②の多価不飽和脂肪酸はそれに該当します。

これらの脂肪酸は体内の重要な成分をつくる元になる必要不可欠な脂質で、人間が体内で作る事ができない成分なので、食事から摂取していくしかありません。

不飽和脂肪酸は飽和脂肪酸とは対極的な成分で、常温でも固まらず、サラサラの状態を保つ性質があります。
ひまわりやごま、オリーブなどの植物油や、青魚をはじめとする魚介類にも多く含まれている脂質です。

不飽和脂肪酸は血液中のコレステロールや中性脂肪を減らす働きがあります。
それだけでなく、脳や神経、免疫等の調整作用が確認されており、健康効果が期待されています。

■不飽和脂肪酸の重要性

飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸を比較して見ると、双方全く逆の作用がある事がわかります。
ただ、不飽和脂肪酸の健康効果に注目するあまり、飽和脂肪酸を極端に避けるのは良い事ではありません。

普段の食事が、肉食をはじめとした洋食中心の生活になっているようであれば、飽和脂肪酸の取り過ぎに陥っているかもしれませんので、和食も取り入れるなどの工夫が必要かもしれません。

また、すでに血液検査等で中性脂肪やコレステロールの指摘を受けているのであれば、脂質の全てを避けるのではなく、魚等の不飽和脂肪酸を意識して食事をする事も有効でしょう。

DHAとEPA について

多価不飽和脂肪酸から分類されるn-3系脂肪酸にあたるDHAとEPA は、その高い健康効果には多くの実績もあり、食品だけでなく医薬品や安全性の高いサプリメントとしても注目を集めています。

1972年に、デンマーク人の2人の研究者がグリーンランドに居住するイヌイットの人々に着目しました。
その土地は最も寒い時期で-60℃にも下がり、農作物の生育が不可能なため野菜や果物などを食べる事がほどんどなく、主にアザラシやクジラ、鮭などの肉類ばかりを食べる食生活を送っていました。

しかし、それだけ偏った食生活にもかかわらず、イヌイットの人々はデンマーク人よりも血中の脂質が低い事がわかりました。
それに伴って心筋梗塞などの循環器系疾患の罹患率も低い事が判明したため、イヌイットの食事についての研究がなされました。

すると、アザラシやクジラにはDHAとEPAの不飽和脂肪酸か多く含まれている事がわかりました。
不飽和脂肪酸は常温でもサラサラな脂質で、体内に入っても液体の状態を保ち、血中のコレステロールや中性脂肪を調節する作用があります。
ですから、それらが理由でイヌイットの人々が健康であるという仮定に至ったわけです。

その発表以降、DHAとEPAに対する関心は世界中から集まり、様々な研究が進められてきました。
日本でも研究や臨床実験が繰り返され、その健康効果は医学的にも認められるまでになりました。

DHA

DHA(エイコサペンタエン酸)は主に魚に多く含まれる脂肪酸です。
この成分は人間の脳内にもっとも多く存在していて、DHAを摂取する事で記憶力や学習能力の活性化が起こるとされています。

これによって、脳の病気である認知症に対する研究も進められています。
認知症は脳細胞組織が死滅していく事によって起こりますが、この病気はDHAが最も多く含まれる器官である海馬が関係しています。
今後の研究次第では、DHAがさらなる健康促進の成分として活用される事も期待できます。

その他にも目に関する不調やアレルギー、うつなどの精神疾患にも効果があると考えられおり、各方面での研究が行われています。

EPA

EPAエイコサペンタエン酸は、DHA同様に多価不飽和脂肪酸に分類される必須脂肪酸です。

EPAには血液中の中性脂肪やコレステロールを下げる効果があるので、高脂血症からくる動脈硬化や脳梗塞、心筋梗塞などの循環器系疾患の予防や改善に役立つ事が証明されています。

この成分は血液に与える影響がDHAよりも強いとされており、血栓を予防する効果が高いとされています。
また、抗炎症、抗アレルギー作用もある事がわかっており、医療の場でも利用されている成分です。

DHAとEPAが多く含まれている食品とその安全性

DHAとEPAが多く含まれる食品は、やはり魚が圧倒的に多いです。
特に青魚と呼ばれる魚には、多くのDHAとEPAが含まれています。
マグロを筆頭に、ブリ、サンマ、サバ、イワシなど、食卓で馴染みのある魚ばかりです。
日本人の知能指数が高いのは、魚を多く食べる食文化の影響という発表をした研究者もかつてはいたほどでしたが、食の欧米化が進むにつれて、日本人の魚の摂取量はかつてに比べると激減しています。

健康に対する日本人の意識は決して低いものではなく、これらの成分をサプリなどで補ったりしている人も少なくありません。
サプリメントの栄養素については、特に心血管疾患、血中中性脂肪低下作用等の効果に対して一定の評価があります。

DHAとEPAが体にいいからと言って、魚を多く食べれば良いというものではありません。
サプリ等の安全性も高く、DHAとEPAを多く摂るる事の大きな副作用は特にありませんが、多量摂取の一部副作用としてげっぷや胃腸障害が報告されています。

循環器系疾患による投薬治療を受けている場合は、過剰なDHAとEPAの摂取は若干なりとも影響を及ぼす可能性はありますので注意が必要です。
食事やサプリメントでDHAやEPAを摂取する際は、適切な量にとどめておく方が賢明です。
以上の事から考えると、DHAとEPAが人間の健康にもたらす効果が大きい事は明らかです。
生活習慣病や成人病のリスクの多い時代だからこそ、もう一度食生活について見直して見る事が大切です。

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